Episode.08 [オルゴール] 语り-福山润(台本)(2)

2019-01-19 11:07

がした。「助けて、ここだよ、誰か!」力の限りまた叫んだ、しばらくして、数人の足音が近づいてきた、「大丈夫か?」祖父の声だった、村の人たちを連れて、僕を探しに来てくれたのだ。安心したら、ふと意識が遠のいた。木の間から、少女が笑っていた、追いかける僕がいる、少女は時々立ちどまって、僕に手を振る、ここまでおいてと言ってまた笑う、僕は更に追いかける、でも少女の背中に届かない、背中がどんどん小さくなる、また風が彼女を運んで行ってしまう。「まって」はっとして目覚めると、そこは祖父の家の広い寝室だった、夢、茫然としていると、声を聞きつけた母が小走りにやってきて僕の顔を見て泣いた。どうやらまる一日眠っていたらしい、怪我はかすり傷程度で済んだが、ひどく疲労している様子だったので、とにかく寝かせていたという。母の目は真っ赤で、心配のあまり一睡もしていないことがすぐに分かった。「母さん、ごめん。」そう言って、僕はすぐに布団を被ってしまった、また迷惑をかけてしまったという思いと、この年になってという恥ずかしさ、そして夢の中でさえ少女を追いかけている自分に呆れて、涙が出てきたから、そんな顔母に見られたくなかった。もういい、このまま生きていこう、足が動かなくたっていい、今はそれほど不自由しているわけじゃない、先のことも考えるのをよそう、それに、今回は少し感傷的になりすぎた、遠い昔の思い出はもう胸の奥にしまっとけばいい、そうしておとなしく生きていくのが僕にはお似合いなんだ。また一つ涙を零してから、再び眠りついた、今度は少女の夢を見なかった。

Chapter9 少女

それから数日が経ち、帰ることになった、僕から言い出したことだった。この土地にいると、結局思い出ばかりにしがみついてしまう。確かに住み心地はよかったが、いずれ都会に戻るなら、早めにと考えた結果だった。荷物を整理していたら、あることに気がついた、オルゴールはどこにもない、どこを探しても見当たらない、祖父に聞いてみたが、救助されたとき、それらしいものは何も持っていないという。道のどこかに落としたのか、しばらく考えてみて、思い出した。いや、違う、あの店だ、あのふしぎ工房という店にオルゴールを忘れてきたのだ、絶対にそうだ。僕はあそこで注文した、少女に会わせてほしいと、夢でなければ、どこかに控えと請求書があるはず。上着のポケットを探るとそれが出てきた、やっぱり、僕は居ても立ってもいられなくなって、家を飛び出した。もちろん、母にも祖父にも見つからないようにして、また心配をかけることになるが、早く帰ってきさえすればいい、まだ日は高い、まっすぐにあの店を向かえば、そう時間もかからないはずだ。あの湖へと通じる道を急いだ、思い出に縋らないと決めても、やはりあのオルゴールだけは手放したくなかった、大事にしまっておくだけでも心が落ち着く、そんな気がしていたからだ。山の中の小道を抜け、もうだいぶ湖に近づいたと思ったところで、やや強めの風が吹き、木々の葉をざっと揺らした、僕は何気にたち止まった、この感覚には覚えがある、そう思っていたら、手元にふあとしたものが落ちてきた、見ると、白い帽子だった、あれ、その帽子を不思議そうに眺めてから、はっとして辺りを見回した、視界の中には、誰もいない、でもこの帽子は、まさか、振り向くと、そこに彼女が立っていた、しかも幼い姿のままで。こんにちはと言って、少女は僕に会釈した、わが目を疑った、確かに彼女であることは間違いない、見間違うはずもない、あの時の姿のままなのだから、しかし、そんなことはありえない、彼女はもう大人になっているはずだ、だっだら、白昼でも見ているのか、首を強く振ってみた、でも、相変わらず目の前の少女は僕に笑いかけている。「君は一体」そう言いかけたとたん、少女が走り出した。「あ、待って。」急いで後を追った、少女を追っているうちに、湖へと出た、まだ日は高いとたかをくくっていたが、当たりはすでに夕暮れ時となっていた。おぼろげに霞む夕日の中を、少女は駆けていく、僕は必死で

追いかける、少女は時々立ち止まって手招きをする、彼女の笑い声が頭の中に響いてくる、そして、ついに捕まえた。僕は荒い気で尋ねた、「どうして、君は年を取らないの。」少女はなぜそんなこと聞くのと首を傾げた。「だって、僕はもう大人だよ。君は僕と同じ年のはず。」すると、少女が少し悲しそうな顔をしたので、慌てて質問を変えた。「でも、よく僕のことが分かったね。それからすごく時間が経っているのに。」少女はにっこっと笑うと、「もちろんよ、忘れるわけないもの。」と言った。「僕もだよ、ずっと会いたかったんだ。」少女は私もと言って、恥ずかしそうにうつむいた、この時、今起きていることが現実であろうとなかろうとかまわない、この時間が永久に止まってくれればいい、夢なら覚めないでほしい、どうかずっとこのまま、僕は神にも祈る気持ちになった。ふいに、少女の表情が暗く沈んだ。「どうしたの?」と聞くと、もう行かなくちゃと言う答が返ってきた。「そんな、今あったばかりなのに。」少女はごめんなさいというともう駆け出していた、後姿が小さくなっていく、あの時と同じだ、とっさにそう思った。今追わなければ、もう二度と会えない。「待って、行かないで。」、車椅子を急速に発進させた、しかし、それがかえってまずかった、車輪が砂にめり込み、どうにも前に進まない、あせばあせるほど車輪は空回りする、見る間に少女の姿は小さくなっていく、「行かないで!」気づくと、僕は車椅子を捨てて前に歩き出そうとしていた、一歩進んでは転ぶ、立ち上がってはまた転ぶ、それでもまた立ち上がる、少女の姿はもう視界から消える寸前だった、僕は渾身の力で、二歩三歩と前へ進んで、また叫んだ、「僕をおいていかないでくれ。」少女の姿はもうなかった、僕はがっくりと膝を落とすと、むせび泣いた。「うんんん」すると、目の前に二本の足が見えた、恐る恐る顔をあげると、そこに笑いかける少女の姿があった。「ダメじゃない、大人のくせに泣くなんて。」目がそう言っているようだった。茫然とする僕を少女は屈んで優しく抱きしめてくれた、耳元に彼女の優しい声が響いた。「やっと自分の足で歩いたのね、あなたはもうわたしがいなくても大丈夫。」確かにそう聞こえた、その時。一陣の風が過ぎった、気づくと彼女は完全に目の前から姿を消していた、風に運ばれたというよりは、風にさらわれたという気がした。僕は茫然と少女がいなくなった空間を見つめていた。その後、祖父たちが探しにやってきたのはいうまでもない、さすがの祖父も怒りを隠せない様子だったが、僕の姿を見るなり、口を大きく開けたまま、二の句が継げなかった。その時、僕は二本の足で立っていた。

Chapter10 確信

僕はしばらくこの町に残ることにした、少しずつ歩けるようになった姿を見て、リハビリを兼ねているならと、母も納得した様子だった、この町の環境が足を治してくれたと家族は信じて疑っていなかった。しかし、僕には別の目的があった、あることを確信していたのだ、そして、それを調べるためにこの町に残る必要があった。図書館、役場へと熱心に通う一方で、たくさんの人に会って話を聞いた、そして、ついにある記録へとたどり着いた。あの夏の日以後の記録に。少女はあの夏の終わりに引越していたわけじゃない、その年の冬を迎えるころ、この町でなくなっている。彼女は重い病気を患っていて、医師の勧めもあって、環境のよいこの町、夏の始まりとともにやってきた、そこで僕に出会った。病気だなんて一言も言わなかった、そんな素振りも見せなかった、彼女自身は自分の病気のことを知っていたと思う、だから、最後に宝物のオルゴールをくれた、そして最後に一つ彼女が約束してくれた言葉を思い出した、あの別れ際、僕のことをずっと見守っていると。これからは、彼女の分まで生きていこうと思う、彼女が僕に勇気をくれたから。

Chapter11 epilogue

時々、あの夏の事を思い出す、僕は本当にふしぎな体験をしたと思う、ふしぎ工房の老人と出会い、少女と再会した。ふしぎ工房に、あの後再び訪れてみたが、もうその場所にはなかった。祖父に聞いても、そんな店は知らないと言っていた。しかし、誰も信じてはくれなくでも、僕の中では確かな現実となっている。老人から渡された請求書と書かれた封筒は今も封を切らずに、手元に置いている。僕には読まなくても何か書いてあるのか分かる気がしている、きっとこうだ、「自分の足で立って、人生を歩いていきなさい。」もし、この先の人生でくじけるようなことがあったなら、その時に改めてこの封を切ろうと思う。少女のことを考える、あのオルゴールは老人が預かってくれているのだろうか、お前にはもう必要ない、そんな声が聞こえてきそうだ。オルゴールはなくなってしまったけれど、今でもあの音色を僕の心の中で奏でている。


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