○ わたくしも田口さんからそう伺いましたが、信じられないようなお話ですね。 ○ 「これは、すばらしい物をお持ちですね、みせていただけませんか。」 「いやいや、ご覧に入れるほどのものではではございません。」見せる ○ お目にかけたいものがあります。 みせる
○ この辞書いまお使いでなければ、ちょっと拝借したいんですが。 ○ たくさんの祝電を頂戴しております。もらう
○ やっぱりお耳に入れておいたほうがよいかと思いました。 知らせる ○ 身の程も考えず、あえて申し上げます。
2 動詞の連用形、名詞にオ?ゴをつけ、規則的に変える場合
① お(ご)~する/いたす(動詞の場合には、この形式が一般に使われている形) ○ 農村の生活で実際経験したことをお話してみたいと思います。 ○ ごぶさたしております。お変わりございませんか。 ② お(ご)~申し上げる(①より敬度が高い) ○ 当地の名物のお菓子をお贈り申し上げます。
○ 営業の田村でございます。よろしくお願い申し上げます。 ③ お(ご)~いただく(相手から恩恵を受ける場合に使われる) ○ ちょっとお待ちいただければ、すぐお直しいたします。 ○ 本日はお招きいただき、ありがとうございました。 ④ お(ご)~願う([目上の人]に頼むときに使う)
○ 数量に限りがありますので、売り切れの節はご容赦願います。 ○ 後日改めてお電話願います。 ⑤ お(ご)~に預かる (「目上の人」の好意や恩恵などを受ける場合に使う。③より敬度が高い) ○ お褒めにあずかり、ありがとうございます。
○ ただ今ご紹介にあずかりました五十嵐でございます。 ⑥ お(ご)~を仰ぐ(「目上の人」から教えや指示、援助などを受けたいときに使われる) ○ 事件の処理について、ご指示を仰ぎたいと存じます。 ○ 今こそ御社のご協力を仰ぎたいのです。
⑦ お(ご)~を賜る (高貴な人や目上の人から何かいただく場合。非常に敬度が高い) ○ このたびはご高著を賜り、たいへんありがたく、厚くお礼を申し上げます。 ⑧ お~を差し上げる (「目上の人」に対して何かをする場合) ○ お手紙をいただきながら、長いことお返事も差し上げず、たいへん失礼いたしました。 3 動詞の未然形+(さ)せていただく
「~させていただく」は「許しを得て~する」という意味で使われる場合や、「相手のおかげさまで~できた」という場合には適切な謙譲表現である。 ○ あした休ませていただいてもよろしいでしょうか。
○ 日本滞在中はいろいろといい経験をさせていただきました。
三、丁寧語 ものの言い方を丁寧にすることにより、聞き手に敬意を表す言い方 1 丁寧体と普通体
① 丁寧体 (デス、マスの形)聞き手に対する敬意を表す形
「あした(あなたは)来ますか」 「いいえ、行きません」
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② 普通体 (ダの形)敬意を表さない形で、親しい人と話すときに使う
「あした、来る?」 「ううん、行かない」
2 丁寧に話すときに語や表現が変わるもの
① 指示語、副詞、名詞、挨拶表現など[一覧表3] 普通の言葉 改まった言葉 こっち(そあど) こちら どこ どちら 今日 本日 次の日 翌日 次の次の日 翌々日 きのう 昨日 おととい 一昨日 去年 昨年 おととし 一昨年 ゆうべ 昨夜 けさ 今朝、けさほど あしたの朝 明朝 今 ただいま このあいだ 先日 普通の言葉 改まった言葉 今度 このたび、このほど、今回 あとで 後ほど さっき さきほど ちょっと、すこし 尐々 早く 早めに ほんとうに まことに すぐ 早速、早急に どう いかが いくら いかほど、おいくら いい よろしい、けっこう すみません 申し訳ありません、 恐れ入ります ありがとう ありがとうございます あした みょうにち これから 今後、これより ○ (本当に)(すみません)が、(今)分かるものがおりませんので、また(後で)いらして
いただけないでしょうか。(まことに)(申し訳ありません)(ただいま)(のちほど) ○ 「(いくら)お払いすれば(いい)んでしょうか。」「尐し古くなっておりますから、一万円
で(いい)です。」(いかほど)(よろしい)(よろしい) ○ (昨日の夜)、新宿区四谷一丁目十三番十号付近でぼやが発生しました。〔ニュース〕(昨夜) ○ (こっち)はもうだいぶ涼しくなってまいりましたが、(そっち)は(どう)でしょうか。
(こちら)(そちら)(いかが) ○ 〔受付が客に〕失礼ですが、(さっき)からお待ちのようですが、どんなご用件でしょうか。
(さきほど)
○ 「京都での会議のあとは尐し見物でもなさるんですか。」「いいえ、会議の(次の日)は工
場視察、(次の次の日)はお得意回りと、(こんど)の出張は忙しくなりそうなんですよ。 (翌日)(翌々日)(このたび)
○ (だれ)が(あした)の演習に見えるのか、(わたし)はまだ聞いておりません。
(どなた)(明日)(わたくし)
② 人称代名詞など人の呼び方[一覧表4]
普通の言葉 わたし(あたし、ぼく、おれ) わたしたち あなた(きみ、おまえ) この人 わたくし わたくしども あなた(さま)おたく(さま) この方、こちらの方 丁寧な言葉 7
この人達 先生達
③ 丁寧語動詞[一覧表5] 普通の言葉 行く、来る 言う 寝る する ある 丁寧な言葉 まいる 申す 休む いたす ござる この方々、こちらの方々 先生方 普通の言葉 いる 死ぬ 買う 食べる ~です 丁寧な言葉 おる 亡くなる、逝く 求める いただく ~でございます ○来週いっぱい群馬県にある大田と申す町へ仕事で行くことになっております。
○円高になってまいりましたので、海外へでかける若者で、成田は混雑しておりました。 ○これは何十年も前に求めたものですが、とても丈夫できず一つございません。
註: 「ござる」の使い方
a 「です」よりもっと丁寧な言い方(名詞、形容動詞述語) ○私が責任者です。 → 私が責任者でございます
○これはとても便利です。 → これはとても便利でございます。 b 「ある」よりもっと丁寧な言い方
○ここに書類があります。 → ここに書類がございます。 ○この書類です。 → この書類でございます。
④ 形容詞の音便[一覧表6] 語 高い 美味しい 低い 面白い 語尾変化 -ai→-oo -ii→-yuu -ui→-uu -oi→-oo ございますの形 たこうございます おいしゅうございます ひくうございます おもしろうございます
○最近はお野菜が高こうございますね。
○お宅のほうにお邪魔してもよろしゅうございましょうか。 ○今日は大変お寒うございます。
○いろいろお話を伺い、たいへんおもしろうございました。 注:形容詞の音便
1 形容詞の連用形「く」に「ございます」が続く場合、そのあいだに「は」「も」「など」の助
詞が入っている時、音便がない。
○皆々様方とのお別れは名残惜しくはございます。 ○嬉しゅうございますが、悲しくもございます。 ○お友達とご一緒なら寂しくなどございません。
2 形容詞の連用形「く」に「ございません」がくる場合「は」「も」などの助詞がなくても音便
がない。
○庭に花はあまり多くございません。
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○事業規模が必ずしも大きくございません。
○議論ばかり多くて、私には面白くございませんでした。
● 美化語 名詞や形容詞に「お」や「ご」をつける言い方
話し手自身のことばづかいを上品にする使い方(女性によって使われることが多い)
たとえば お茶、お金、お酒、お風呂、お天気、お花、お勉強、お祝い、お釣り、お安い、
お美しいなど
○お忘れ物のないようにご注意ください。 ○お天気がよくて、お掃除もはかどります。
美化語の使用に関しては、一定の規則性がないことから、かなりの個人差、とりわけ男女の差がある。「お宅のお坊ちゃま、お使いにおいでになったの?」などと「お、ご」を頻用すると、逆にひんしゅくを買うのである程度の節度が肝心である。
注: 名詞や形容詞に「お」や「ご」つける言い方 1「お」?「ご」の使い方
①「お」?「ご」をとるとその語の意味がなくなったり、変わったりする。 おかず おにぎり おなか おかげ おやじ ごはん
②聞き手や目上の人?敬意を表すべき人の行為や物、状態について使う。(尊敬語としての使い方)
お帰り お考え お話 お仕事 ご家族 ご意見 ○ お疲れでしょうから、ごゆっくりお休みください。
③自分または「内」の人の行為や物などが聞き手や目上の人?敬意を表すべき人にかかわりがあるときに使う。(謙譲語としての使い方)
○今晩にでも、先生にお電話をしてご報告いたすつもりです。
④使う必要がないが、丁寧語、美化語として使う。(女性によって使われることが多い) ○お忘れ物のないようにご注意ください。
○お天気がよくて、お掃除もはかどります。 2「お」?「ご」が付く語
① 「お+和語」(訓読みの語)、「ご+漢語」(音読みの語)の原則
お祝い?祝辞 お知らせ?ご通知 お許し?ご許可 お招き?ご招待
② 「お+漢語系の語」漢語でも漢語的意識がうすくなったものには「お」をつける お宅、お茶、お盆、お肉 お料理、お弁当、お菓子、お食事、お電話、お時間 お化粧 お元気 お辞儀 お中元 お歳暮 お大事 お餞別 お掃除 お葬式 ③ 「ご」の付く語例(「お」は付けられない語)
ご意見 ご挨拶 ご遠慮 ご協力 ご起立 ご結婚 ご決断 ご好意 ご旅行 3「お」?「ご」が付きにくい語 ① 原則としては外来語にはつかない
ネクタイ コンピューター テレビなど
*外来語に「お」は付けないのは原則だが、日本に入ってきた歴史も古く、日本人の生活に
なじみの深くなっている語には「お」を付けてもよいとする専門家もいる。 たとえば、おタバコ おソース おコーヒー おトイレ おビールなど ②動植物 像 犬 キリン キャベツ 大根 菊
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③長い言葉にはつかない。
× おこうもり傘、おじゃがいも、おほうれんそう ④自然現象、公共物にはつかない
× お雤、お雪、お(ご)学校、お(ご)会社 ⑤品の悪い言葉や軽蔑を表す言葉にはつかない。 × おまねけ、おくず
練習問題
一 「お」や「ご」の使い方が、次のa~dのどれにあたるか( )の中に記号を入れなさい。
a尊敬 b謙譲 c丁寧 d省略すると意味の変わるもの 1あしたのお弁当はおにぎりにしようと思っています。cd
2こちらにお茶とお菓子が用意してありますので、どうぞ召し上がってください。cc
3実はお願いがあるのですが、本日先生の研究室のほうへお邪魔してもよろしいでしょうか。bb
4最近太ってきたので、紅茶にはなるべくお砂糖を入れないようにしています。c 5おやじもおふくろも、放任主義だ。dd
6お時間がおありでしたら、こちらの展示もご覧ください。a
7先生の温かいご指導のおかげで、子供も無事に早稲田大学に入学できまして、お礼の申し上げようもございません。adb
8私どもからあなたへのお願いがございます。 b 9心温まるお手紙へのご返事を差し上げます。 ab
10本日お忙しい中をご足労をおかけしまして申し訳ありません。 aa
二、 の言葉を丁寧な言い方にしなさい。
A「もしもし、山田先生の①うちですか。私は去年先生に教えて②もらった佐藤③というものですが、先生は④いますか。あ、そうですか。先生は北海道へ⑤行っているんですか。実は先生に⑥会って、⑦聞きたいことがあったんですが…… 。 先生はいつ東京へ⑧帰りますか。来週ですか。それでは来週もう一度⑨電話を⑩かけて、先生の? 都合を?聞きます。どうも失礼?しました。」
B1 ~は明日天津を立つ。 立たれる
2 ~が来たらすぐ始めましょう 。お見えになったら 3 今朝の新聞を読みましたか。 お読みになり
4 気に入りましたら、どうぞ持ち帰ってください。気に召し お持ち帰りください 5 ~が明日10時にこちらを訪問するそうです。 お訪問なさる 6 お母さんには早くお電話した方がいいと思う。 なさった
7 この料理は持ち帰りますか、こちらで食べますか。お持ち帰りになり 8 これより課長がご説明なさる件はもう知っている方々もあると思います。 ご存知の 存じます
9 こちらのお客様はもう寝ましたから、もう尐し静かにしていただけませんか。 お休みになり
10 お客様がこちらで待っています。待っていらっしゃっています
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