我々のすぐ後を追って出航したはずの第二はんかい丸には、女子学生とおばしい一団が乗っていたが、いまごろは盛大に悲鳴の嬌声を発しているだろう。あっちに乗っておればよかったと、残念でならぬ。
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紧随着我们后面出航的应该是第二日本海号,乘坐的好像是一群女学生,也许现在正发出惊天动地的娇声尖叫吧。要是我乘那艘船就好了,我感到遗憾不已。
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ガイド嬢がいないとかで、船長兼機関士のおっさんがワンマンでアナウンスを始める。流暢ではないが、これがなかなか味のあるガイドである。もっとも風がひどいので、艫にいる私にはとぎれとぎれにしか聞えないが。
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因为没有导游小姐,船长兼掌舵的大叔一个人开始了广播。虽然不很流畅,但却是很有味道的解说。不过由于风很大,我在船尾断断续续地听不真切。
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何しろ浜坂からまで二時間足らずのあいだは、奇岩怪石の連続で、その一つ一つに名前がついているから、解説するほうも忙しい。ひっきりなしにやっている。
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总之,从滨坂到香住不足两小时的航程中,奇岩怪石接连不断,而且每一处都有名称,因此大叔忙碌地给大家解说,一刻也没有停下来。
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亀に似ているから亀島
穴が二つ空いためがね島
本のぺージのような横皺があるから頁島
頂上に松が生えているから松島
窓岩 蜂の巣岩 鎧袖
と言った具合て、中には両面あって反対側から見るとインデアンの顔にそっくりというのもある。洞門の命名もしかりで、
朝日が射し込むから旭洞門
内部の形状から釣鐘洞門
というようなものだ。
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“因像乌龟故名龟岛
两只空洞叫眼镜岛
因有书页那样的皱褶故名页岛
因顶上长松树故名松岛
窗户岩、蜂窝岩、铁袖岩”
根据他介绍的情况,正当中有两个侧面,从反面来看,是一个与印第安人的脸一模一样的东西,正如洞门的命名那样:
“因朝阳射入故名朝日洞
根据内部形状叫吊钟洞门”
诸如如此之类的景物。
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世の中には大きな岩石や洞穴を目にすると無闇に興奮してしまう人もいるらしいから、そういう人にはさぞかし堪えられない景観だろう。どうも人間、洞窟があると入って寸法を測ったり、岩を見るとなんに似ているか当てっこしたりする習性があるようだ。 ?
世上似乎也有一见到巨大岩石和洞穴就莫名兴奋起来的人,想必这就是让他们按奈不住自己的兴奋的景观吧。任何人都有这样的习惯:见到了洞穴就要进去测量一下大小,见到了岩石就要猜一猜它像什么之类的习惯吧。
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瀬戸内でいえば、鷲羽山といったようなののだろか。そういえば確かあの辺の入江に象岩というのがあった。
親切に説明してくれるのはありがたいのだが、よく聞き取れないのと、最初の水飛沫の一撃で眼鏡が潮でべとべとの曇ってしまったので、どれがどの岩だか、さっぱり見分けがつかない。いきなり目潰しをくらったようなものだ。
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拿濑户内来说吧,也就是鹫羽山那样的地方来说吧,那一带的入港处好像有叫象岩的岩石。 十分感谢他那亲切的解说,但不是听得很清楚。一开始飞溅的水沫使眼镜因海水而变得黏糊糊的,眼前模模糊糊,哪里是那块岩石,根本分不清楚,就像冷不防被沙子迷了眼睛似的。 ?
絶壁沿いに船は一定速度で進むが、洞門には近づかない。アナウンスによれば、 「本日は少々波がございますので」省略して、先へ進むという。
なるほど、日本海は荒海だ、と思ったのはこの瞬間。
(それで「少々」かね?)
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船沿着绝壁以一定的速度前进,但却不能靠近洞门。广播说:
“今天因为稍稍有点浪,”因此省略了参加岩洞,直接向前开。
果然,日本海是狂暴的海,我想到这一点就在这一瞬间。
(这还算“稍稍”有点浪?)
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どうして「相当」なものだ。私は広島や岡山でヨットやボートに乗ったこともあるが、こんな「雄壮」な気分を味わったことはないし、自衛隊に乗って太平洋上に出た時は、実に春風駘蕩。たるものだった。それで私はなんとなくる了解した気持ちになる――どうやら、これぐらい波があっても、この程度小船でどんどん行ってしまう、その辺が日本海の流儀というものらしい。
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那么怎样才算是“相当”大的浪呢?我在广岛、冈山乘过帆船和快艇,却从未体会过如此“雄壮”的气氛。乘坐自卫队的军舰航行在太平洋上时,实在是心旷神怡。因此我无意中觉得自己明白了什么,好像只有这样程度的波浪,乘坐这样大小的小船持续前进,这才是这一带日本海的做派吧。
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そう思って眺めると、やや離れた海上に一つだけぽつんと突き出した岩礁を、海鵜の群れが占拠して、しきりに首を伸ばしてあたりを睥睨している。そんな何でもないような光景も、いやに黒々と不吉にみえる。不気味で、底知れぬ、こわい海という感じだ。これで空が曇っていたら、もっとこわさを増すに違いない。
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这么想着望出去,在稍稍有段距离的地方,一块岩礁孤零零地突出在海面上,一群海鹰盘踞在那里,频频翘首向四周睥睨着。这样的一无所有的情景,却让我看到了过分黑暗的不详之兆,感觉到了令人毛骨悚然的,深不见底的恐怖大海。如果天色阴暗的话,这种恐怖感无疑会增大。
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太平洋川に住んでいると、海の向うはアメリカ、というぐらいに考えて別に怪しみもしないくせに、ここでは水平線の彼方は昔の満州か(日本の侵略によってかつて現在の中国東北部に「満州国」という国家が作られた――編集者注)ソ連領土か、など頭の中で地図を描いているうちに、ばかに果てしないような気がしてくる。
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居住在太平洋的一侧,如果想到大洋彼岸是美国也没有什么奇怪的,可是这里的水平线对面却是过去的满洲(因日本侵略曾在现在的中国东北部制造了所谓“满洲国”——编者注)以及苏联领土等,我在脑海里描绘这幅地图的时候,产生了一种异乎寻常,无边无际的感觉。 ?
灯台のある伊佐さ岬を過ぎれから、背後を振り仰ぐと、崖の上にはりついたように、ひとかたまりの部落がある。ガイドの言葉を借りれば、「平家の落ちぶれました部落でぞざいます」ということで、この落人部落は往時は電気も水道も電話もなく、周囲からまったく弧絶していたそうだ。それが戦時中そこに軍の監視所が出来たので、道路も通り、おかげで便利になったという。私は奇岩怪石の説明よりも、こういう話のほうが興味がある。あってきたわけじゃないが、平家部落には美男美女がわんさといるそうである。 ?