ための取り組みを行っている。しかし、人々の意識が簡単に変わるわけはなく、結果が出るまでには、長い年月が必要だろう。
第十四課 日本の就職活動
1、 面接は話す場であり、文を読む場ではない。志望動機や自己PRなど、履歴書に書
いたものをそのまま話すのはよくない。
2、 会社の建物に入り、出るまでが採用試験である。受付での話し方や待合室での態度
なども評価の対象になる。
3、 面接では初めの印象が大切である。清潔感のあるきちんとした服装をすること。
これは、就職活動をする学生のために書かれたガイドブックの一部である。 毎年、新学期が始まるころから、街にリクルートスーツを着た学生たちの姿が見られるようになる。リクルートスーツというのは、希望する会社を訪問する際の服装のことで、男女を問わず、黒か濃い紺色、灰色の地味な色のスーツを指す。
就職の氷河期は過ぎたといっても、希望する会社に簡単に就職できるわけではない。日本の若者に人気のある職種は、銀行や出版社、自動車メーカーなどだが、自分の希望する会社に就職できる人は、ごく一部しかない。
就職活動は、まず、希望する職種の会社を選択することから始まる。会社のホームページを見たり、会社を訪問したりして採用試験の申し込みをする。最近ではパソコンから申し込みをすることもできる。
1次試験、2次試験、3次試験とたくさんの試験を受けなければならない。面接も一度だけでなく、二度、三度と行うことが多い。これらの試験を突破して初めて内定をもらうことになる。学生たちは、尐しでも早い時期から就職活動の準備を始めて、希望に会社に就職できるよう努力している。
第十五課 日本レストラン事情
日本にはいろいろなレストランがあり、日本料理、中華料理、フランス料理、イタリア料理など、世界中の料理を楽しむことができる。
料理の種類によって、さまざまな専門店がある。ラーメン、ハンバーガー、ステーキ、パスタなど、実に多様である。日本料理の専門店も多い。「うどん」「そば」「天ぷら」「寿
21
司」「すき焼き」など、これもまた多様である。
日本では、レストランへ行って席に着くと、たいてい「おしぼり」が出てくる。また、注文の前にお茶や冷たい水が無料で出てくる。そのあと、メニューを見ながら料理を注文する。
日本の料理には、おもしろい名前のものがある。例えば、「親子丼」というのは、とり肉と卵を調理してご飯に載せた料理である。とり肉と卵は親と子であることから付いた名前だ。ほかに、「他人丼」という料理もある。豚肉や牛肉と卵を料理してご飯に載せた料理である。豚肉と卵は「親子」ではなく「他人」だからである。
では、「キツネうどん」というのはどんな料理だろうか。決してキツネの肉が入ったうどんではない。うどんの上に、「油揚げ」という、豆腐を揚げた物を載せた料理だ。油揚げの色がキツネのような色だからとか、油揚げがキツネの好物だから、という理由でこんな名前が付けられたという。
第十六課 変わる結婚式
日本の結婚式には、さまざまなスタイルがある。その中でも、神社での「神前結婚式」、教会での「キリスト教式結婚式」、親戚や友人たちの前で行う「人前結婚式」が一般的なものだろう。
キリスト教式で結婚式を和挙げるからといって、キリスト教の信者であるとは限らない。ウエディングドレスが着たいからとか、教会で挙式したいからなど、自分の好みで挙式のスタイルを決める人が多く、宗教で決める人は尐数である。ホテルや結婚式場には、挙式の場所が設けられているので、実際に神社や教会へ行く人の数は尐ない。さらに、海外で挙式をする人も多くなっている。
下のグラフは、ある出版社は首都圏の夫婦組に対して行ったアンケートの結果をまとめたものである。これを見ると、挙式の形式が時代とともに変わってきていることがわかる。年には「キリスト教式結婚式」が、「人前結婚式」がであったのに対して、年では、それぞれに増えた。一方、伝統的な挙式形式である「神前結婚式」は、年には年の分のまで減尐した。このように、結婚式に対する人々の意識は、時代とともに変化してきている。 結婚式の後には普通、披露宴を行う。披露宴は、親戚や友人、同僚らを招いて行うパーティーである。披露宴の場所は、以前はホテルと結婚式場が分の近くを占めていた。最近ではレストランなどの会場を利用する人も多くなっている。
第十七課 北京の顔
北京のほぼ中心部にある景山公園は、市民の憩いの場である。休日には、若いカップルや家族連れ、旅行者でにぎわう。
22
公園の周囲には「胡同」と呼ばれる狭い路地が無数に存在している。
「胡同」を知るには、歴史を約700年前までさかのぼらなければならない。13世紀、元の時代に、敵から市民を守るため、石垣が作られ、その中に住宅が作られた。この住居を取り囲むように通っているのが「胡同」である。
「胡同」は長い間、北京市民の大切な生活の場であった。路地には朝市が頻繁に開かれ、屋台が並ぶ。時には自転車置き場にもなる。胡同には役割によってさまざまな名前が付けられている。現在でも入口に名前が書かれた看板がかかっている路地も多い。かつて金銭の取引所があった「銭市胡同」、刃物を研ぐ職人が暮らしていた「磨刀胡同」など、昔のままの名前も残っている。
胡同が作られた当時、「四合院」と呼ばれる、中国の伝統的な家屋も作られた。東西南北の棟が、庭を中心に建てられている。最近では、この四合院をホテルやレストランに改造しているところもある。
胡同は元の時代にはせいぜい本だったが、明の時代には本に、年代には本を超えた。その長さから、北京の胡同をつなぐと「もうつの万里の長城になる」とまで言われたそうである。
残念なことに、近代化が進み、胡同の数が急激に減ってきてしまった。ただ、その一方、古い建物を残そうとする動機もある。北京市ではか所の歴史文化保護区を指定して、町並びを保存することを決めた。新しいものと古いものが混在する北京は、今変革の期を迎えている。
読み方:銭市胡同:チェンシーフートン
磨刀胡同:モータオフートン
第十八課 手紙
佐藤から北上貿易への手紙
23
平成20年1月19日 株式会社北上貿易 販売促進部 張徳栄さま 拝啓 新春の候、北上貿易の皆様におかれましてはお元気でお過ごしのことと存じます。 突然のお手紙を差し上げる失礼をおゆるしください。私は竜虎酒造の佐藤と申します。弊社では、現在中国での日本酒の販売を計画しております。 御社が中国国内の酒類販売ルートにお詳しいことを、MTS社の菊池様より伺いました。急なお願いで申しわけございませんが、近いうちに一度お目にかかり、お話を伺えればと存じます。後日こちらからお電話いたしますので、その折にご都合をお聞かせいただければ幸いです。 勝手なお願いで、ご迷惑をおかけいたしますが、よろしくご検討くださいますようお願い申し上げます。 敬具 竜虎酒造株式会社 上海事務所 佐藤 光一
パンフレット送付の手紙
24
平成20年1月29日 上海PECホテル 黒田様 拝啓 この度は日本酒「金星」パンフレットをご請求いただき、まことにありがとうございます。 早速、最新のパンフレット5部をご送付申し上げます。 なお、資料の内容についてご不明の点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。ご説明させていただきます。 今後ともよろしくお願いいたします。 敬具 竜虎酒造株式会社 上海事務所 佐藤 光一
第十九課 水道水の話
東京の水道は、かつて「まずい水」の代名詞だった。かび臭い、濁っているなどの苦情が水道局に寄せられ、浄水器をつけたり、一度沸かしてから飲んだりする人が多かった。 ところが、この水道水が変わりつつある。東京都庁の売店には、大手飲料メーカーのミネラルのボドルの間に,都の水道局が販売する「東京水」が並ぶ。
ラベルには「原材料名:水(水道水)」とある。都内の浄水場で処理した水をボトルに詰めて販売していて、味もおいしいと評判だ。この「東京水」の販売は東京都水道局が進めている「安全でおいしい水プロジェクト」キャンペーンの一つだ。
キャンペーンでは、貯水池並びに河川の水質管理、浄水処理施設の改善など、さまざま取り組みを行っている。1992年には金町浄水場(葛飾区)に、オゾンや活性炭を使って微生物などを取り除く特別な装置を導入した。さらに、マンションの貯水槽や水道管が古くなって、浄水場から運ばれる水が汚染されてしまうこともあるため、水道局では水道管や貯水槽を調査したり。取り替えたりしているこれらの対策が進むのに伴って、おいしくて安全な水を届けることができるようになtってきた。
さらに、キャンペーンのもと、水源の森林を守るための取り組みも進んでいる。森林に降った雨は、地面に積もった落ち葉をゆっくりと通過し、土に染み込み、そして、川に尐しずつ流れ込む。森林は、水道水のもとになるきれいな水を作る一方で、土砂がダムに流れ込まないようにする働きをしている。この「緑のダム」ともいえる森林を守り、育てることによって、いつか、ミネラルウオーターよ
25